文責:龍馬プロジェクト九州ブロック長 穴見憲昭(大分市議会議員)
龍馬プロジェクト九州ブロック研修会
『洋上風力発電による地域振興の可能性』
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講師 九州大学 洋上風力研究教育センター 副センター長 古川勝彦 他 (株)リアムウィンド 富永 様
会場 九州大学 筑紫キャンパス
みなと100年公園
我が国において、再生可能エネルギー含む今後のエネルギー政策が懸念される中、国としても力を入れていくとされている「洋上風力発電」の現状と今後の方針を九州大学の洋上風力研究教育センターにて学ばせていただいた。
経済産業省・国土交通省からなる官民協議会が洋上風力の産業競争力活性化に向けた「洋上風力産業ビジョン(第1次)」を発表し、2030年までに1,000万kW、また国内調達率を2040年までに60%にするとされている。
我が国としては40年以上前から風力発電システムを自ら開発してきたが、2019年には主要な大手企業がほぼ撤退したというのが現状である。
(現在日本で研究に使用している機材等もほぼ外国製とのこと)
理由としては①風況の過酷さ②用地の確保等の調整が困難③国内市場の限界
とのことであった。現在、これらの課題は残されたまま、海外で製造された洋上風車の導入が進んでいる。
これらの打開策として、まずは洋上風力に必須の「風況」、「風車」及び「浮体」の研究・教育を統合的に行える組織や洋上風力の開発支援組織を確立すること、風車使用の最適化や大量生産技術の構築を実現し、投資の促進やサプライチェーンを確立すること、などが挙げられる。
それらを目的に、国からの補助を受けつつ九州大学が研究を進めている。
しかし、補助を受けつつとは言うもののそれは充分ではなく、研究にはかなりの費用を要することやその分野に係る人材育成・確保にも費用が発生すること等、日本において風力発電を本格的にエネルギー源として運用するためには長い道のりになると感じた。
また、推進にあたっては産学官の連携が必須であることから「洋上風力産学官連会コンソーシアム」を設立し、現在では71の機関が参画しているとのことだった。
これにより、研究・人材育成の部分で『九州大学』、開発・製造の部分で『メーカー』、実証・運用の部分で『事業者/自治体』が連携し、セミナー・シンポジウムの開催やそれぞれが抱える課題への対応、ビッグデータの蓄積・分析・利活用などを実現している。
つまり、国(行政)が補助金等の予算をつけるだけでなく、スキームを構築して関係各所がしっかりと連携できる“体制づくり”がまずもって重要ではないかと感じた。
二日目には、福岡市の「みなと100年公園」という場所で、実際に実験で使用した洋上風車を視察した。
初日は過去の経緯から今後の方針、プロジェクトの全般の流れの講義であったのに対し、二日目は実物を見ながら具体的な機能や設置場所(風況)の説明など、掘り下げた内容の話を聞くことができた。
風車は大きすぎても小さすぎても駄目で、最小のコストで最大の効果を発揮するための技術や場所の選定方法等、かなりマニアックな話であった。
メンバーからの質問では、設置に関する場所の質問が多く、風が強い場所であれば良さそうな感じもするが、一概にそうでもなく、安定した風量であったり、周囲の危険性であったりといろいろと配慮が必要とのことだった。
押しなべて感じたのは、やはりこれらを日本各所で活用していくにはかなりの時間と労力、費用が必要であること。しかし、今後を見据えた上では必要な議論であるとも感じた。
まずは国の方針ありきではあるが、各自治体でもエネルギーの利活用として議論する日が来ると思う。引き続き、学びを深めていきたい。
文責:龍馬プロジェクト九州ブロック長 穴見憲昭
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