イベント報告

  • 2011.12.06
  • イベント報告

九州ブロック 長崎東高校視察 (11.11.25開催)

龍馬プロジェクト:九州ブロック 長崎東高校視察(文責:神谷宗幣

長崎県の県立長崎東高校を視察させていただいた。

ウィキペディア

長崎県には県内に3つの中高一貫校があり、登校では平成16年から中高一貫教育に取り組んでおられる。

中学校は、生徒数が1学年3クラス(120人)で、県内の通学県内に住む子供たちが受験をして入学する。

高校受験がない分、通常の中学校では45分のところを(長崎県の中学校では45分が一般的)50分授業とし、

週3コマ授業数を増やし、発展学習に力を入れている。

高校入学時には、一般受験で4クラス(160名)分の生徒を新たに受け入れ、内部生と混合で7クラスの編成にする。

その7クラスを、高1では総合(一般)クラス4クラスと速修クラス3クラスにわけ、内外の生徒を混ぜて学習させる。

高校2年生では、文系3クラス、理系3クラス、特進ク1クラスの編成。

一貫教育を始めた平成16年当時48%だった国公立大学への進学率が、

平成23年では72.3%に上がるなど、 学力面での効果が見られる。

また、卒業生全体の満足度は、満足と大体満足をあわせて90%。

高校から入学してきた生徒についても7割が学校に満足しているという調査結果が出ている。

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学校行事は中高合同で行えるものは合同で行い、性質的に無理なものは分けて行う。

部活動も体力差が目立つような種目はクラブ自体を分けている。

行事でユニークなものは、「願望プロジェクト」と「海外研修」。

前者は、全校で映画を見て感想や感動を生徒同士で共有させるというもの。情操教育のために行っている。

海外研修はカナダに1週間ほど短期留学し、語学研修を行う。国際性や語学力の向上のために行っているが、

費用がかかるのが課題。海外にいけない生徒のために、ハウステンボス内のホテルで3泊4日の英語合宿なども用意している。

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学校のスローガンは

「ここに集え! 憧れを抱く者志に燃える者ともによき世を創るために」。

学校の中庭には目指せ日本一の石碑があり、 どんな分野でもいいので「日本一」か「二位」になった生徒の名前を刻んでいる。

非常にユニークで見習いたい取り組み。

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授業の様子も見せていただいたが、県内でも有力の進学校で、 生徒の様子は落ち着きのあるすばらしいものでした。

また、中高で一つの図書室は写真のとおりかなり充実しており、 県内でもここにしかないくらいのレベルとのことでした。

集約化のメリットを感じました。

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ヒアリングでは様々な質問に答えていただきました。

Q1.中学校在籍者は高校へは全入できるのか。
A 全入できる。ただし、他の高校へ行くことも可能。8年間で1人だけ他校へ入学した。

Q2.6年間も一緒にいるとコミュニティーが閉鎖的にならないか。
A 高校からの入学生が半数以上を占め、彼らとクラスを混ぜることで、閉塞感や中だるみが生じないよう工夫している。

Q3.中学校で高校のカリキュラムの先取りなどはするのか。
A 内容を掘り下げて教えることはするが、カリキュラムの前倒しなどは行わない。

Q4.中高の教職員の交流はあるのか。
A 職員室が合同なので、人的交流はある。また、高校教師が中学で教えるなどの交流はある。逆はほとんど無い。

Q5.どんな教育目標やビジョンがあるのか。
A 高校受験がない分、6年間の全人教育を目指している。単なる点数だけの学力ではなく、 発展学習を通した真の学力の習得に力を入れている。

Q6.中学生の意識はどうか?
A やはり受験を経て入ってくる子どもは意識が高い。他の中学校からきた先生が他の学校に移りたくなくなるほどである。

Q7.住む地域の違う保護者同士で、人間関係の構築が難しいのではないか。
A PTAの主催行事や研修会がすごく充実しており、そこでの人間関係の構築ができている。
7月には全学PTA懇談会という200~300人規模の懇親会(飲み会)などもあり、人間関係はしっかりできている。

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大阪の公立学校にはない中高一貫の取り組みを見せていただきました。

吹田では小中一貫(連携)の取り組みを行っていますが、やはり当校のような

一体型(校舎) の学校にしないとなかなか取り組み事態が難しいであろうと感じました。

進学率や満足度調査は数値的にわかりやすいものでしたので、取り組みとして参考になります。

子供の発達段階を考えると、小中一貫より、中高一貫の方がまとまりが良いと考えます。

高校は大阪府の管轄ですので、選挙も終わったことですし、

大阪府も部分的にこのような取り組みを進めていくと「教育維新」となり、

公教育の一つの売りになるのではないでしょうか。

また、当校が国際意識の醸成に力を入れておられるのがうらやましく感じました。

何年後かに大きな成果が生まれるだろうと思います。

今まで見たことのない取り組みでしたので、これを機会に今後の研究課題にしていきたいと思います。

文責:龍馬プロジェクト会長 神谷宗幣

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