関東ブロック 第1回関東龍馬塾(開催日:24.10.1) 文責:大久保貴之
10月1日に行われた第1回関東龍馬塾では、 食や農の諸問題について勉強しました。
講師は松浦智紀先生。テーマは「お母さんと考える日本の食の安全保障」。
先生は「おいしいはしあわせ」というコンセプトの元、無肥料自然栽培を全国に普及させるため、
自然食小売店を中心に全国を飛び回る、自然栽培の第一人者です。
まずは問題提起から入りましたが、「食や農の諸問題」と題した資料には、細かい字であふれんばかりの問題が・・・
ざっと50は下らないほどありましたが、それでも「ぱっと思いついたものだけ」、とのこと。
最初の衝撃は、日本人とアメリカ人が食べる肉の量を1割減らすと飢餓がなくなる!という説。
たとえば、南米で主食となっているグレインソルガムという穀物は、日本では牛の資料として輸入されています。
同様のことは小麦・トウモロコシでも言えます。その双方の輸入額世界一は日本です。
また、日本人が捨てている食品の重量は2000万トンを超えます。年間5800万トンを輸入していると考えると
大量の食品が無駄になっています。この廃棄食品の量は4600万人の年間食料に匹敵し、
世界の食糧援助量740万トンのおよそ3倍に当たります。
この事実は、日本人として受け止めねばならない、大きなものでした。
そして、農薬・食品添加物・化学肥料と行った化学物質の話に移ります。
食品パッケージに何気なく書いてある食品添加物のうち日本で認可されているものの数は約800種。
それが、よく見かける「形の整った食品」を作り出しているのです。
さらに、農薬。OECD統計によると、1haあたり一番農薬を散布しているのは日本だとか。
そして、それだけ農薬を散布しなくてはならない理由には、作物自身が弱っている、という事実があるそうです。
そこで重要なのが肥料。肥料は、ガス化して温室効果をもたらす、ということにも驚きでしたが、
植物を「メタボ化」させているのです。
肥料を与えることによって、過剰な養分供給が起こり、無理に体を大きくしようとします。
これにより、自然な状態からどんどんかけ離れていき、色艶が悪くなり、病弱になっていきます。
では、自然栽培、無農薬・無肥料栽培、にするとどうなるのか。自然と日光浴び、風を受けるのびのび、
はつらつとした植物の姿がそこにあります。肥料を与えたものより小さい体ですが、しなやかな枝葉をもち、
虫や病気にも強い。しかも、野菜の本来持っていた抗酸化力が3倍以上になっていて、
食べてもおいしい野菜の味が味わえる、とのこと。
このような、健やかに育った食べ物をおいしく、幸せにいただける社会を作り、残していくために、
どのような制度が必要かを強く考えさせられる講座でした。
関東ブロック 学生部 大久保貴之
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