東北ブロック視察・キャラバン報告(日程:2016.1.28-29)
文責:東北ブロック長 吉田実貴人
2016/1/28(木)-1/29(金)の2日間で、龍馬プロジェクト東北ブロックが開催されました。
今回は、初日に東京第一原子力発電所の視察とキャラバン、2日目に津波被災地ツアーです。
参加者は龍馬プロジェクトのメンバー12名です(新規希望者も含む)。
北は山形、西は石川・大阪から集まっていただきました。
神谷会長は、当日始発でいわき入りし、フラガールを事前調査するほどの気合いの入れよう。
専用バスでJヴィレッジに向い、そこで現在の福島第一原発の廃炉作業の進捗と、
汚染水の現状等の説明を受けました。私の1F視察は3回目、前回はちょうど1年前です。
<福島第一原発 1-6号機を視察は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/43137576.html
福島第一原子力発電所内は、原則として安全保障の観点から撮影禁止です。
一方、1Fから約20km離れたJヴィレッジ内は特に指定がなければ、原則OKだそうです。
基本的に1Fの作業員はすべてJヴィレッジにバスか自家用車で集合し、ここから
Jヴィレッジに移動します。現在、Jヴィレッジと1Fの間には、早朝3:30-20:30までの間、
130本もの専用シャトルバスが運行し、作業員の方々を運んでいるそうです。
以前は、Jヴィレッジに入構したときから、東電職員・作業員らから、ぴりぴりとした
緊張感を、ビンビンに感じたのですが、今回は、作業環境が良くなったせいか、
そういった異常な緊張感は緩和されたように感じました。実際に、1F内の、とある屋外通路
では、タイベックやマスク装着なしに、歩いて移動している作業員の方がほとんどでした。
もちろん1-4号機付近では、まだまだ空間放射線量は高く、300μSv/hを超える場所もありますし、
汚染水問題の完全解決にいたっていません。さらには燃料デブリの取り出しには新たな技術開発
が必要で、まだまだ全体として予断を許しません。
<東京電力 東京電力福島復興本社@Jヴィレッジ再訪問は、こちら>
http://www.mikito.biz/archives/42233395.html
東電としては、廃炉の作業過程を、多くの方々に知って理解してもらうため、実際に見学にきて
ほしいと考えているそうです。そして見てきたことを外部に発信して欲しいとのこと。
実際には、受入れ人数のキャパシティの課題があるので、数ヶ月先まで予約が一杯だそうですが。
前回の視察から、いろいろな作業環境の改善がありました。
・大熊町に給食センターが完成し、毎日1200食のランチが供給できるようになった。380円均一で
ランチ2種類、メン、カレーから選べるそうです。
・1F構内に、コンクリートで完全に遮蔽された作業員の休憩所が完成し、この中では完全に普段着
で、休憩し、また食事を取ることができる。
・1F構内に、コンクリートで完全に遮蔽された事務所等ができ、この中では完全に普通のオフィス環境。
たまたま視察当日は、作業環境の改善デーだったらしく、東電の常務と1F所長の連名で、作業員に
メッセージ付でお菓子が配られていましたので、私達もそのおこぼれに預かりました。
いわき駅に戻ってからは、龍馬プロジェクトの新規加入希望者に対して、龍馬プロジェクトの設立経緯、
普段の活動、目指すところ等を、神谷会長自らお話し頂きました。私も改めて会長の話を聞いて、
背筋が伸びました。
会場を変えて、龍馬の既存メンバーと新規加入希望者を交えての懇親会です。メンバーの近況報告や、
新規加入希望者の活動等の情報交換をすることができました。
翌日は、津波被災地ツアーです。いわきの沿岸部は、ほぼ全域で5-10m程度の高さの津波が押し寄せ
ました。集落によっては建物が全て流されました。多くの集落は高台に集団移転し、跡地は防災緑地
として残されますが、津波・高潮を防ぐための防潮堤を作った上で、住宅用地として整備する場所もあります。
総延長28km、高さ7.2mの防潮堤を作るために、300億円ともいわれる公費が投入されるといわれています。
2年前に防潮堤の必要性についての議論がありましたが、当時は「人の命にはかえられない」といった
定性的で感情的な意思決定がされたと記憶しています。定量的な判断を期待する層があまりに小さくて、
議論になりませんでした。
日本の政治を地方から変えていく!龍馬プロジェクトの活動を通じて、仲間と一緒に地方、そして日本を
あるべき形に持っていきたいです。
注)東電敷地内の写真の撮影は、東電様の許可を受けております。
文責:東北ブロック長 吉田実貴人
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